観音様のご利益



2000/04/17

今日(4月16日)は年に一度、「観音さま」の春の祭礼です。

このお祭りは、もちろん全国に知れ渡るような大きなものであるわけがなく、
どこにでもある村の小さなお祭りのひとつです。

ここ「片貝」の部落で祀り守ってきた観音様に家内安全、
五穀豊穣等のお願いをします。

今となっては農休日という言葉は死語になりつつありますが、
今日一日、農作業の手を休め酒やご馳走を持ち寄って
今年一年の無事をわいわいやりながら願うのです。






我が家は「お蒸かし」と菜の花の一夜漬けを持っていきます。
マイタケ、ごぼう、人参、油揚げを入れたもち米だけのお蒸かしです。

冬場、作った「寒締め」の葉物は菜の花となり
こうして漬物としても重宝します。





観音様がある観音堂はこの片貝の集落を見下ろせる山の高台にあります。

昇りっぱなしの急坂をみんな酒とご馳走を手に息を切らせながら登っていきます。

4月も半ばというのに、今朝方は、雪が降るかと思うほど冷え込んで手がかじかむほどです。






観音堂にみんなが集まったところでお坊さんの読経が始まりました。

最近座りなれていないせいか、ちょっとの時間だったのですが
足が痺れてしまいました。






このお堂の傍らに、「観音力石」が置かれています。

この力石は約60Kg、昔の米俵一俵位でしょうか。
今のお年寄りが若かった頃は、この力石を肩に担いで
お堂の回りを5回まわったのだそうです。

遊びの要素も多かったのだと思うのですが、この石を担ぐことで
一人前と認められたのだと思います。

私も試しに持ってみましたが、抱き上げるまではできるのですが、
肩まで担ぎ上げる事はできませんでした。
(一人前と認めてもらえません!!)





酒も少し入ったところで、これからがこの「観音様」のお祭りのメインイベントです。

何時の頃から始まったのか定かではありませんが、観音様のお金を借りる為のセリが始まります。
「お金を借りる為のセリ」というと何の事だか分かりませんよね。

たぶん始まりは、一年間お願い事やそのお礼に来た方たちの入れたお賽銭を観音様のご利益のある
お金だからと、貸し出した事からだと思います。

この観音様のお金で牛や豚、鶏の餌を買ったり、作物の種や肥料を買うととても良いものができると言われています。

今年の元手は、積もり積もって74万円。

5万円口が10口、3万円口が8口と発表がありました。
都合18口を1号から18号までとし、お金を借りる為のセリが始まりました。

ようするに利子をたくさんつけた方の手に渡るわけです。

誘導係の声が、「それでは、第1号、5万円。」
と言うまもなく「5千円。」という声がかかりました。

次々に、あちこちから手や声が上がり、それを誘導係が上手に捌いていきます。
最低100円からセリ上げることができます。
とうとう、8千円の声まで上がりました。

「どうだ。まだあるか、もうないか。」
誘導係がみんなの顔を伺います。

頃合と見たのか、「第1号、5万円は8千円で〇〇さんに決まりました。それではお手を拝借!」
シャンシャンと締めの手が入って5万円が渡されました。

ここには不景気の風などどこにもありません。
何故って1年間5万円を借りてその利子が8千円なのですから。

でもこのお金は片貝区のお金として、みんなのために使われるんですよ!

1号が8千円の高値を付けたため荒れそうな雰囲気です。

だいぶ、酒も入ってきて騒然としてきました。
自分が借りる時は、なるべく安く、人が借りる時にはなるべく高くの思惑などは通用せず
意地と笑いと後悔とが入り混じってみんなだいぶ熱くなっています。

私も15号・3万円をやっとの思いで、利子5.100円で借りる事ができました。
この3万円は、4月に入った地鶏の雛達の餌代のしようと思います。

昼間からの酒と、ほどよい興奮とでとてもいい気分です。
来年の支払いのことなどどこ吹く風です。






みなさんにも、ご利益がありますように!



 


お問合せ
〒963-5522 福島県東白川郡塙町大字片貝字兔田37
花島農園 TEL/FAX 0247-42-2012